野球肘
やきゅうひじ
野球肘とは成長期にボールを投げすぎて起こる肘の障害です。野球をしていて肘に痛みが出た場合はこの野球肘が考えられます。
野球肘の症状
ボールを投げる際、またはボールを投げた後、肘に痛みが出ます。悪化してくると肘の曲げ伸ばしでも痛みが出てきます。
さらに悪化すると骨や他の組織の変形で肘の動きが制限されるようになります。
野球肘のメカニズム
ポールを投げすぎると肘関節の骨同士がぶつかり合って関節の骨の一部が剥がれてくることがあります。
さらに成長軟骨に傷が付いたり靭帯(じんたい / 骨同士をつないでいるヒモ)が伸ばされるなどの障害が起こります。
野球肘の治療法
野球肘の治療はまず、投球の中止です。つまり安静です。
早期の安静は肘の炎症を抑えることが容易で、すぐに痛みが引くこともあります。逆に痛みが出ているのに投げ続けているとほとんどが悪化します。
早期からの安静を保つため、練習などを休めない場合は肘のサポーターで負担を減らしながら様子を見ます。
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サポーターで回復が早まり痛みが減少してくるようであれば、そのまま練習をしながらの経過観察ですが、それでも痛みが増してくるようであればしっかり肘の休息をして、その間は別のトレーニングメニューを行います。
もし無理して投球していると肘の骨同士がぶつかり合い、骨の軟骨が剥がれて骨のかけらが出来る可能性が高くなります。これを有名な「関節ねずみ」と呼びます。
この関節ねずみは痛みが出ないこともありますが、刺すような痛みが出るようなら手術で取り除く必要があります。
さらに関節ねずみができるほどの肘の軟骨の損傷は変形性肘関節症(へんけいせいひじかんせつしょう)という関節の変形を来し、将来痛みを引きずることになります。
ただし、野球肘は基本的には手術の必要はなく治癒(ちゆ)可能な障害です。投球を中止し保存療法(手術以外の治療)を行い、リハビリ的に肘周りの筋肉トレーニングや投球ホームの見直しを徹底し、数か月後に復帰という形が多いです。
まだ成長期で関節の骨が完成されていない状態のスポーツ障害なので、安全かつ将来を考えて行うことが大切です。