TFCC損傷
TFCCそんしょう
TFCC損傷 (三角線維軟骨複合体損傷・さんかくせんいなんこつふくごうたいそんしょう) とは、手首の小指側の関節に痛みが出るものです。
小指側の手首の痛みがなかなか消えない場合はTFCC損傷かも知れません。
TFCC損傷の症状
三角繊維軟骨複合体損傷 (TFCC損傷) では腱鞘炎と似た症状の他、ドアノブを回す動きや手のひらを返したり、手首を小指側へ曲げると手首の小指側へ痛みが走ります。(くるぶしの辺り)
そのため日常生活での痛みが続き、スポーツなどにも支障をきたします。
TFCC損傷の診断法
TFCC損傷と確認するにはMRIや関節造影などが用いられますが、手首の動きによる痛みの出方を見れば判断できます。
簡単にセルフチェックできるので試してみてください。
- 両手を胸の前で合わせてそのまま指先を下へ向けると痛みが出る。
- 手首を小指側へ倒した状態から捻ると痛みが出る。
TFCC損傷があればどちらの検査でも痛みが出ます。
TFCCのメカニズム
TFCCとは三角繊維軟骨複合体と呼ばれる手首の小指側にある三角形の領域のことで、この場所は手首を外力などの衝撃からクッションとなり和らげる役割があります。
TFCCの構造は三角繊維軟骨と言う軟骨と多くの靭帯で構成されています。
- 三角繊維軟骨
- 尺骨三角骨靭帯
- 尺骨月状骨靭帯
- 掌側橈尺靭帯
- 背側橈尺靭帯
- 関節円板
- 尺側側副靱帯
TFCC損傷の原因
野球やテニスなどに非常に多く見られます。これは小指側の手首に強い外力が繰り返しかかる事で、TFCC部分を痛めるからです。
その他、転倒して強く手をついたり手を酷使する職業、加齢による関節の変性などでも発症します。
この加齢から発症する場合では、特に何かをした訳でもなく自然と痛みが出できます。
TFCC損傷の治療法
まず、このTFCC損傷の痛みはしつこく厄介なものです。
数日で痛みが消える事は稀ですので、原因となる日常生活から見直す必要があります。
保存的療法 (手術以外)
治療法としては手首に負担のかかる運動などを中心して安静とし、痛みが強い物は3ヶ月ほど装具やサポーターを使用します。これで7割の方が治ります。
この他、ステロイド注射や前腕部、関節周囲のマッサージをして痛みを和らげる方法があります。
外科的療法 (手術)
難治なものに尺骨突き上げ症候群があります。これは前腕部の2本の骨のうち、小指側の骨が長くTFCC部を突き上げ痛みを出します。この場合、骨を切る手術が用いられます。
靱帯損傷の場合は、TFCCの 縫合術や再建術、関節滑膜部分切除術、関節鏡を用いたTFCC 部分切除術、関節鏡を用いたTFCC 部分切除術などが行われます。