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むち打ち / 首の痛み・頭痛

むち打ち ( 鞭打ち )

むちうち

むち打ちとは、多くは無意識の状態で後ろから体に強い力が加わり首の痛みや頭痛の症状を引き起こします。

むち打ちは大きく首の痛めた状態や原因の総称のため、痛める箇所によりいくつかに分類されます。

症状

不意の外力のため首の強い痛み、頭痛などが出ます。むち打ちの程度により首の神経を痛めると、背中や手のしびれなども現れます。

痛みが強いと全く首が動かせない、上下や横を向けない、吐き気や熱が出るものもあります。

むち打ちの衝撃で頭痛が続く場合、脊髄液が漏れて髄圧が低下して脊髄漏(せきずいろう)という症状の可能性があります。

原因

多くは交通事故で停車中に後ろから追突された際に受傷します。

他にはスポーツで倒されたり、突然後ろから押された時にも受傷しやすくなります。

病態

むち打ちは痛める箇所により以下のように分類できます。

  1. 頚椎捻挫型
  2. 神経根症状型
  3. 脊髄症状型
  4. バレ・リーウー症候群

1.頚椎捻挫型

むち打ちのほとんどはこの頚椎捻挫で、首の関節に無理な力が加わり靭帯や筋肉の損傷を伴うものです。

横を向いたり前後の頭の動きで首に痛みを感じます。重度のものでは頭痛やめまいを伴います。

2.神経根症状型

首への強い外力が加わり首から出でいる神経を痛めるもので、肩周りの痛み・凝り、首の後ろから頭にかけての頭痛、腕や手のしびれ・だるさなとの神経症状が出ます。

3.脊髄症状型

以前は原因不明と言われていたものです。脳と背骨の神経は脊髄液に満たされて一定の圧力で保たれています。交通事故などのむち打ちでは髄膜(ずいまく / 脊髄液が入っている膜)に穴が開いて脊髄液が漏れる事があります。これを「脳脊髄減少症」と言います。

脊髄液が漏れると、脳の圧力が低下して頭痛や吐き気、めまいなどの症状が長期間続きます。

4.バレ・リーウー症候群

後部交感神経症候群」とも言われ、頸部の損傷に伴って発生する自律神経症状です。頭痛めまい、顔面や上肢の感覚異常耳鳴り視力障害などの不定愁訴を発症します。

目立った外傷が見られず星状交感節ブロックをして効果があればバレ・リーウ(バレ・リュー)症候群と診断できる材料となります。

星状交感節ブロック: 首の付け根に麻酔剤を注射すること。


治療法

1.頚椎捻挫

むち打ちにより痛めた筋肉や靭帯の回復を図るため安静とします。症状が重いものは頚椎カラー(首のコルセット)を使用します。その他、
物理療法

や緊張で固まった筋肉を和らげるストレッチ、牽引、運動療法で症状の緩和を図ります。

2.神経根損傷

神経根の痛み・シビレは左右のどちらかに出る事が多く、肩から指先、頭などの神経痛や知覚異常が現れます。その為、痛みがでている箇所ではなく首を治療しなければなりません。

神経症状が見られる場合、まず1週間程度は首の安静とし過敏になった神経が落ち着くのを待ちます。その後は物理療法となりますが、下手に首を動かし過ぎると症状が悪化することもあるため、軽い運動から始め徐々に首の動く範囲を広げていきます。

3.脊髄症状

脳脊髄液が漏れるため、穴が開いた箇所を塞ぐブラッドパッチが行われます。

ブラッドパッチとは自分の血液を採り、穴の空いた髄膜の硬膜と背骨の間にその血液を注射して蓋をします。この方法は自分の血液のため副作用が少なく、技術的にも安全ですが効果が不十分な事があります。

4.バレ・リーウー症候群

首の骨に沿った交感神経の緊張を和らげ、症状の緩和を目的として、星状交感節ブロック療法が行われます。

星状交感節は首の1番下に神経の集まる部分があり、そこに麻酔剤を注射、もしくはレーザーを照射する事によって症状の緩和、消失が望めます。

バレ・リーウー((バレ・リユウー)症候群は見逃され易い疾患なので注意が必要です。

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物理療法 (ぶつりりょうほう)

温める・冷やすなどの温熱療法の他、電気(低周波や超音波など)・マッサージ・光線を用いた治療のことです。