へバーデン結節
へバーデンけっせつ
へバーデン結節とは、手の指の第1関節が太くなり、稀に痛みを伴う関節の変形をいいます。指の変形性関節症です。
出典 手の外科シリーズ 5
第2関節にできたものをブシャール結節と呼びます。
症状
手指の第1関節が膨れてきて炎症が起きると痛みを伴います。押すと痛みを感じるものや安静時でもズキズキ痛むものもあります。
まれに第1関節に小さな水包状のできもの「ミューカスシスト」(粘液水腫)ができる事があります。
変形が進むと指先が横を向いたり、真っ直ぐに伸ばせなくなります。
同じような指の変形にリウマチがありますが、リウマチは両手の同じ場所の変形があり、第1関節にはリウマチはありません。
手の人差し指から小指まで発症しますが、人差し指が最も多発します。
原因
はっきりした事は不明です。ただし加齢で発症するのは確かですが、発症しない人との違いはよくわかっていません。
手をよく使う人。40歳代以降の女性になりやすい。遺伝的にもなりやすいようです。
他には閉経後の女性に多い事から女性ホルモンのエストロゲンの減少が影響するようです。
へバーデン結節の診断
指の第1関節に骨棘(骨のトゲのようなもの)を確認できます。。レントゲンで確認しますが、見た目で容易に判断できます。
コーヒーを飲む方や甘党の人に多いとの報告もあります。
治療法
へバーデン結節は一度変形してしまうと元には戻りません。変形する原因である余分な骨棘は消える事はなくそのままの状態となります。
さらに、へバーデン結節を患う方が非常に多く、それほど重要視されないため、また治療法も確立されていない事から塗り薬程度の対応しかされない事も多いようです。
以上の事からへバーデン結節は
物理療法
の選択となります。温める、低周波治療、レーザー治療により痛みの緩和を試みて、変形途中のものは早めにテーピング固定を行うと、変形を最小限に抑える事が可能です。
画像 マイクロポアテープによるテーピング例
ミューカスシストが認められる場合や変形が強いものは手術なども行われます。
ミューカスシスト(粘液水腫)ができたものは、自分で潰したりすると関節内に細菌が入り感染してしまう危険がありますので注意が必要です。