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滑液包炎 / 肘、足首、膝の腫れ・肩の痛み

滑液包炎

かつえきほうえん

滑液包炎とは、関節周辺にある滑液包 (かつえきほう) という袋が炎症を起こす事で腫れ、痛みが出る疾患です。

 

滑液包炎の原因は?

滑液包は関節のぶつかり合う衝撃や、筋肉同士が動いた時に擦れて摩擦を起こし痛めてしまうのを軽減する働きがあります。

その滑液包が直接擦れたり圧迫されるような機械的刺激や感染により炎症が生じた状態が滑液包炎で、これにより腫れや痛みが現れます。

 

滑液包炎の症状

滑液包炎が起こりやすい部位は次のとおりです。

  1. 股関節
  2. 膝 (ひざ)
  3. 足首

1.肩

肩には下記のような多くの滑液包があります。

  • 肩峰下滑液包 (けんぽうかかつえきほう)
  • 肩峰上滑液包 (けんこうじょうかつえきほう)
  • 三角筋下滑液包 (さんかくきんかかつえきほう)
  • 上腕二頭筋長頭腱滑液包(じょうわんにとうきんかつえきほう)
  • 肩甲下滑液包(けんこうかかつえきほう)
  • 烏口上滑液包(うこうじょうかつえきほう)
  • 烏口下滑液包(うこうかかつえきほう)

この中でも特に肩峰下滑液包 (けんぽうかかつえきほう) は腕を上げる際、肩甲骨と上腕骨に挟まれ構造的に痛めることが多くなります。

 

2.肘

肘で発症する滑液包炎ではデスクワークが原因である事がほとんどです。

長時間机に肘をついて同じ部分を圧迫し続ける事で滑液包が炎症を起こしたり肥厚して腫れが出てきます。

痛みはない事もありますが、肘を動かすと痛みを感じるものもあります。

 

3.股関節

股関節には腸恥滑液包、転子滑液包、坐骨滑液包等があり、変形性股関節症や坐骨神経痛の痛みと区別することが難しいものもあります。

 

4.膝 (ひざ)

膝関節周囲の滑液包は多数ありますが、その中でも膝の滑液包で有名なものにベーカー嚢腫(べーかーのうしゅ / ベーカー嚢胞)があります。

50歳代の女性に多く、変形性関節症や関節リウマチ、反張膝(ひざが反る人)などに付随して多く現れます。

ベーカー嚢腫は膝の裏側に膨らんだ状態で目で確認することができます。

この中の滑液を注射器で抜いても非常に再発が多く、痛みは無くても見た目や膝を曲げた時の違和感が心理的に負担となります。

 

5.足首

足関節滑液包炎では足首の前外側に水の溜まった袋上の腫れが現れます。ちょうど外くるぶしの前辺りです。

足首の滑液包も他の部位と同じく、水を抜いても繰り返し発症することが多くなります。

 

滑液包炎の検査法

通常は触診やエコーなどで確認できます。滑液包炎ではレントゲンで異常は見られません。

股関節部など外見から判断しにくいものにはMRI検査が行われます。


滑液包炎の治療法

滑液包炎の治療では大半は外からの刺激により腫れが出ます。

そのため生活習慣や職業、スポーツなどを見直すことが治療につながります。

 

肩の滑液包炎、特に肩峰下滑液包炎では腕を横から上に挙げる時に50°〜120°の間で痛みが出るペインフルアークサインが出ます。

この場合、肩を安静として炎症を落ち着かせます。

肩峰下滑液包炎 / 肩の痛み

 

安静にしても痛みが続く場合には痛みのある側の肩甲骨の動きをストレッチなどの運動で良くすることにより、腕の付け根にかかる負担を減らす事ができるため痛みが軽減されます。

 

デスクワークなどで肘をついての作業を見直すか、肘にサポーターなどクッション性があるものを当てる事で机との摩擦や圧力を軽減させます。

肘の滑液包炎のサポーターは以下のようなものがおすすめです。この他にもクッション性があるものであれば大丈夫です。

滑液包が腫れてしまったら圧迫して水の吸収を促します。注射器で抜いても再発が多いため、肘をつく原因から取り除く必要があります。

 

股関節

腸恥滑液包炎、転子滑液包炎などが関節リウマチや変形性関節症から発症するものは難治となります。

使い過ぎなどで痛みが出たものでは安静とすることで痛みが軽減されます。

その他、ステロイドや痛み止めなどの薬物療法も行われています。

 

ベーカー嚢腫 (嚢胞) は注射器で水を抜いても再発が多く、特にそれ自体で痛みを出すことは少ないためにそのまま経過観察となる場合がほとんどです。

赤く熱を持つものには抗生剤などの内服薬が使われ、難治なものには手術で嚢胞を切除する事もあります。しかしこの手術も完全ではありません。

ベーカー嚢腫は原因となっている変形性膝関節症、反張膝などを治す事で腫れを軽減させる事ができるものもあります。

 

足首

正座など足首の全面に刺激を与える動作を避けるようにします。

また、一度滑液包が腫れると長期間繰り返し水が溜まります。

そのためサポーターやテーピングで圧迫するなど水の吸収を促す治療となります。

 

まとめ

滑液包は筋肉同士の摩擦を減らし衝撃を吸収する重要な働きがある反面、一度炎症を起こして滑液が多量に溜まったり、滑液包が肥厚したりすると腫れや痛みを繰り返すことが多くなります。

滑液包炎では痛みが無い物でも腫れが外見からも容易に確認できるために不安やストレスとなる厄介な疾患です。

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