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石灰沈着性腱板炎 / 肩の痛み

石灰沈着性腱板炎

せっかいちんちゃくせいけんばんえん

石灰沈着性腱板炎とは、肩の一部に石灰が沈着し、肩の痛みが出るものです。石灰腱炎 (せっかいけんえん) 、石灰沈着性腱炎 (せっかいちんちゃくせいけんえん) とも呼ばれます。

症状

軽いものでは2週間程度で痛みが引くものもあります。しかし石灰沈着性腱板炎では長期化しているものがほとんどです。

安静時、運動時のどちらでも痛みますが、特に腕を動かす角度により強い痛みが出ます。慢性化したものでは腕は動かせても痛みがある状態が続きます。

さらにバンザイした状態が長いと腕を下ろす時にかなりの痛みが出るので急には腕を下ろせなくなります。

石灰が硬くなったものは腕を回すと激痛があり、引っかかるような音の感覚を感じる事もあります。これで硬化した石灰の有無を大まかに判断できます。

症状が進行して石灰が腱板を破り関節包へ漏れ出ると激痛となってしまいます。
関節包 : 関節を包んでいる袋。関節液で満たされています。

数年にわたり大きな石灰が複数残ってしまう方も見受けられますが、このような場合、痛みで通常の腕の使い方が出来なく生活にかなりの制限と支障が出ます。


病態

40〜50歳代の女性に多くみられます。ただし男性にもかなり多く、スポーツなどで痛めた腱板損傷と合併している事も多々あります。

肩の関節には腱板という腱の集まりが上腕骨を包むように付いています。

この腱板に骨の成分であるリン酸カルシウムが沈着して硬化してきます。沈着した石灰は最初はミルク状で柔らかく注射器でも吸引できますが、徐々に硬化するものも多く、完全に硬化すると注射器で吸引できないのはもちろん、将来的に消えないものもあります。

鑑別が必要な疾患

原因

肩に石灰が溜まる原因は、はっきりと分かっていません。

ただし可能性として、肩腱板の損傷の炎症が引き金となり発生するものや、お茶、コーヒーなどカフェインを水代わりに飲むような食生活でも発症しやすいと言われています。

石灰沈着性腱板炎は原因不明だと言われていますが、スポーツや交通事故、肩のケガで痛めた後に石灰が沈着しているケースが非常に多いです。

検査法

レントゲンで肩関節の腱板部に石灰が映るため容易に確認できます。

レントゲン以外では確定診断はできませんが、本人以外の人が腕を横に持ち上げ、腕の付け根と鎖骨の間を親指で深く押しながらゆっくり腕を回すと、硬化した石灰がある場合、クリック音がして触知出来ることがあります。

ただし、肩の前面にある上腕二頭筋長頭腱や加齢による肩関節の変形で腱が引っかかるものでもこのクリック音を感じるので、指を当てる位置に注意が必要です。

治療法

石灰沈着性腱板炎の治療法は主に薬剤での治療と運動療法に分かれます。石灰が大きく痛みが続くものは手術で摘出することもあります。

薬剤での治療

石灰が確認できて初期のものは石灰がまだミルク状で柔らかく注射器で吸引できます。石灰を吸引した後にそのままステロイドを注射します。これですぐに治るものもあります。

ただ、ほとんどの沈着した石灰は固まっていたりしているので注射器で抜くことが難しく、この場合、ステロイドや麻酔剤、ヒアルロンなどの注射でもなかなか軽快しません。

運動療法

急性期のミルク状の石灰は2〜3ヶ月で自然に吸収される事もありますが、いつまでも残っているものや慢性化している石灰に対しては運動療法が効果的です。

運動療法は肩の関節を動かして行います。腕を動かす事により石灰が吸収されやすくなります。

注意

この運動療法は肩関節を動かす事が目的です。筋トレや重りを持っての運動を行うと肩周囲の筋肉が硬くなり余計に痛みが増してしまいます。

2人で行う方法

動かしてもらう時は仰向けまたは痛みのある側の肩を上にして横向きで行います。

手のひらを上にしてゆっくり円を描くように回します。10回周したら逆回しも行います。これを10分間繰り返し行います。

1人で行う方法

自分で行う場合は仰向けで肘を直角に曲げた状態から上に突き上げるように徐々に肘を伸ばしながらバンザイをします。痛みが出る手前までで止め、ゆっくり肘を曲げながらまた元に戻します。10分間くらい繰り返し行ってください。

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