寝違え
ねちがえ
寝違え (寝違い) とは、寝ている間に起きる首の捻挫の俗称です。
また、起きている時に痛めた首が、寝ている間に炎症を起こしてしまったものを言い、そのほとんどは頚椎捻挫 (けいついねんざ) と呼ばれます。
寝違えの原因
首を寝違える原因の多くは、朝方に頭が枕からズリ落ちていたり、同じ向きで長時間熟睡してしまう事で痛みを発症します。
その他、飲酒して寝た際は痛みの感覚が鈍くなっているため、首に無理な体勢がかかってもなかなか気づきません。
そのため無理な筋肉の伸張 (伸ばされること) や頚椎(首の骨)の神経が圧迫され続けてしまうため痛みを発症します。
特にデスクワークやストレスなどで首の筋肉の緊張が続いている場合も何かのきっかけで起こりやすくなります。
寝違えの症状
起床時に大半の場合は首の左右どちらかに強い痛みを感じます。
多くは首の前後、左右いずれかの動きで鋭い痛みが首の横や後ろに出ます。炎症が強いものでは発熱や頭痛を伴うこともあります。
首の疾患 (椎間板ヘルニアや頚椎症) を患っている方や、
退行性変性
がある場合は、寝ている首の角度により神経を圧迫して、首の痛みの他に腕や手のしびれを発症するものもあります。
退行性変性 (たいこうせいへんせい)
骨折してギプス固定するなど、体は使わないと徐々に関節が固まったり筋肉が減ったり、骨がスカスカになってきます。
これを退行性変性といい、高齢者などにも多い症状です。
寝違えの治療法
原則として、痛みが出て3日程では急性期の炎症が起きています。
そのため動かして治そうとしたり、お風呂で温めたりすると一時的に楽になったように感じますが、炎症が強くなり症状の悪化や治るまでの期間が長引く事があります。
炎症を落ち着かせるためには安静と冷却です。痛みが強い場合や手のひらで触って熱を持っているようであれば、痛みの場所をよく冷やしましょう。この方法は最も安全です。
その他、寝違いの痛みを和らげる方法がいくつかあります。これは症状の違いや施術者の技量により変わりますので効果が無ければ安静としましょう。
寝違えの治療法 1
仰向けになり首を10秒ほどゆっくり牽引します。顔を痛みの出る方に向けて痛みが強くなる所の手前で止めます。
そのままゆっくり10秒ほど首を優しく牽引します。また顔をゆっくり上に向けて10秒牽引します。
これを繰り返して首の動く範囲を少しずつ広げていきます。特に神経の圧迫によるものには効果が早い事があります。
寝違えの治療法 2
この方法は首の痛みが胸椎 (胸の背骨) から出ているものに効果的です。
まず横向きに寝て首の下から腰の上までの背骨を指で上から押してみます。
かなり背骨に痛みがある場合はそこからの痛みの事が多いです。
体は横向きの状態で胸椎の横に沿って上から指でほぐしていきます。
胸椎が過敏になっている為、最初は痛みを感じますが5分ほど続けると痛みを感じなくなります。
この方法を逆向きでも行います。
寝違えの治療法 3
こちらはよく噂されているゴッドハンド輝という作品で紹介されたものです。効果が出る事もあり簡単にできますので記載しておきます。
痛い側の腕を下から後ろに上げます。自然に止まった位置で20秒キープして元の位置に戻します。これを2回繰り返します。
次に痛む側の手を腰の下のベルトの位置へ当てたまま肘を後ろに引きます。これを20秒キープして2回行います。
最後に痛む側の手を肘を120°開いたままバンザイして肘を軽く後ろに引きます。20秒キープして、2回繰り返します。
即効性があるようなので試す価値はありそうです。
寝違えの治療法 4
この方法は痛みのある首ではなく、左右どちらかの痛みが出でいる方の脇をマッサージする方法です。
脇の下には神経が通っていますのでこの刺激で痛みが和らぐようです。
この方法に近いものでは痛みのある方の肩の付け根の背中側を指で押すというものです。
ここには四角間隙という筋肉の隙間から腋窩神経が出てきます。
この周囲の筋肉を緩める事によって症状の緩和を図るものです。
寝違えの治療法 5
痛みの出でいる部分の神経に椎間関節ブロックの注射を射ちます。痛みにはかなり即効性があります。
まとめ
いかがでしたか?寝違いと言っても人により症状や原因も違いますので、上記のような治療法で合うものがあれば幸いです。
寝違いは車やバイク、自転車の運転でも困りますからね!