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パーキンソンと間違えられやすい本態性振戦とは?

パーキンソン病と間違えられやすい本態性振戦とは?

本態性振戦イメージ

本態性振戦 (ほんたいせいしんせん) というものをご存知でしょうか?

パーキンソン病と言えばある程度の年代になるとよく耳にする病気だと思いますが、このパーキンソン病に似た症状が出る「本態性振戦」というものがあります。

本態性振戦は決して珍しいものではなく、むしろパーキンソン病よりも身近なものです。

本態性振戦の症状は?

とにかく手が震えます。震えは左右両側に出ることも多く、特に字を書くなど何かをしようとすると震えは強くなる傾向があります。

年齢とともに発症しやすくなり、65歳以上では15%前後に見られます。

軽度のふるえではそれほど問題なく生活できますが、症状が強くなるとコップの水がこぼれたり、字が書けなくなります。

本態性振戦イメージ

この震えは手のみならず頭や体にも出る事があります。時間とともにふるえは少しずつ悪化する (強くなる) 傾向があります。

問題点

本態性振戦のようにふるえ等の症状では他人の目が気になり、外出する回数や人と接する事を避けてしまいがちで、孤立してしまう事が大きな問題点です。

原因は何か?

  • 本態性 = 原因が不明である
  • 振戦 = ふるえ

本態性という言葉の通りこの症状ははっきり原因がわかっていません。原因が不明という事は治療法も現時点では確立されていない状況です。

ただし原因は不明ながら脳の視床から震えが起こる事は特定されてきています。その事からいろいろな治療法が開発され試されています。

パーキンソン病との違い

冒頭にもありますが、本態性振戦はパーキンソン病と手が震える症状が似ているため間違えられやすい疾患です。

ではパーキンソン病と本態性振戦はどう違うのでしょうか?

パーキンソン病では主に以下のような4大症状というものがあります。

  • 振戦 ( しんせん)
  • 筋固縮
  • 動作緩慢
  • 姿勢保持障害 (姿勢反射障害)

震え (振戦) には字を書くなど何かをしようとする時に震えるものと安静時に震えるものとがあります。

パーキンソン病では安静にしていても手がふるえます。逆に本態性振戦では何かをしようとすると震えが起こる傾向があります。

「動作緩慢」や「姿勢保持障害」は本態性振戦には見られないのでその点からも判別の材料となります。

「動作緩慢」とはそのままですが、動きが遅くなったり少なくなったりする事です。歩き方は歩幅が小刻みで前かがみになり止まらなくなるような突進する歩き方になります。「姿勢保持障害」は姿勢が真っ直ぐに保てない状態を言います。

以上の本態性振戦とパーキンソン病の違いを表にまとめてみます。

本態性振戦 パーキンソン病
震え 動作時 安静時
筋固縮 無し 有り
動作緩慢 無し 有り
姿勢保持障害 無し 有り

これらの他、これまではMRIやCTの画像でもパーキンソン病かどうかの区別がつきませんでしたが、SPECT(スペクト)検査という検査法が開発されてきました。

SPECT検査ではパーキンソン病の原因となるドパミン神経の減少を目で判断可能となりました。そのため、早期にパーキンソン病との診断がつけられより早い段階からの治療につながっています。

パーキンソン病について詳しくはこちら ⬇︎
パーキンソン病 / 手の震え・歩行障害

 

本態性振戦の治療法

現在は完治に繋がる治療法がない状態ですが、症状を和らげる方法があります。

精神面からの治療

本態性振戦では精神面の緊張が症状 (ふるえ) に強く現れます。そのため日頃から睡眠をよく取り、リラックスした状態を保つようにします。

内服薬での治療

アロチノロール、プロプラノロール、プリミドンなどの内服薬が使われています。

この中で現在、保険が適応されているのはアロチノロールだけです。

その他、ボツリヌス菌を使った治療などもありますが現在は自費となります。

内服薬で効果が得られない場合、超音波照射による方法が採られる事があります。

超音波照射

近年では本疾患の医療機器として「経頭蓋集束超音波装置」が認可されています。

これは頭の外から脳の視床に超音波を当て治療する方法で、効果も少しずつ出てきています。今後も期待される治療法で、超音波はさらなる研究が日々進んでいます。

手術療法

脳深部刺激療法 (DBS) はパーキンソン病にも用いられる治療法で、脳に直接電極を入れて刺激を与える方法です。

手術に伴う副作用が少なく、刺激の調節も可能で脳の一部を破壊する従来の方法に変わり主流になっています。

まとめ

本態性振戦とは手や頭などの「ふるえ」ということでした。年を取ると少なからずふるえていることが多くあります。

この震えが小さいうちはほとんど気にせずにいられますが、徐々に大きくなることで問題となり病名となっていきます。

なかなか難治な疾患ですが、日々研究され治療法が開発されています。あまり悩まずに前向きになることが症状を緩和させる効果の高い治療法です。

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