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変形性膝関節症 / 膝(ひざ)の痛み

変形性膝関節症 (OA)

へんけいせいひざ(しつ)かんせつしょう

変形性膝(ひざ)関節症とは、膝の軟骨がすり減ることで膝に痛みがでる疾患です。

膝の障害の中でも大多数を占める身近な疾患です。

変形性ひざ関節症の症状

膝の軟骨がすり減る事により膝関節が変形してきます。多くは関節の内側の骨が出っ張り、膝の曲げ伸ばしが完全ではなくなります。

また骨棘 (こつきょく / 骨のトゲ) や遊離骨  (ゆうりこつ / 骨のカケラ) のために膝全体の形が太く、いびつに見えます。

膝が変形したために正座は困難となり、高齢者では華道や茶道などの趣味を断念する原因となっています。

変形性膝関節症の特徴として始動痛があります。

始動痛とは座った状態や立った状態など同じ姿勢から次の動作に移ろうと動き出した時の痛みです。

このため歩行痛では歩き出しが特に痛みが強く、歩いているうちに楽になる事もあります。

また、曲げた状態から急に伸ばしたり、伸ばした状態から急に曲げるなどの動作では強い痛みを伴います。

変形性膝関節症の多くは膝関節の周囲に圧痛が出ます。

特にひざの内側下にある鵞足(がそく)と呼ばれる部分は太ももの筋肉が付くため痛みが出やすい場所となっています。

鵞足部の痛みについて詳しくはこちら ⬇︎
鵞足炎アイキャッチ画像 膝の内側が痛む鵞足炎とは?関節症との違いなど


変形性ひざ関節症の原因

変形性膝関節症の原因は下記のようなものがあります。

  1. 加齢
  2. 肥満
  3. 閉経(ホルモンバランス)
  4. 靭帯損傷
  5. 半月板損傷
  6. O脚変形
  7. X脚変形
  8. 反張膝

1.加齢

変形性膝関節症の原因として最も多いのが加齢です。

ひざの軟骨は消耗品のため長寿である現代では、一生きれいな軟骨を維持するのは困難となっています。

さらに加齢に伴い膝の関節の骨自体が変形したり骨棘が作られるようになります。

また軟骨や骨膜の一部が剥がれ、関節周囲に骨化した遊離軟骨ができる事があります。

この遊離軟骨は1㎝前後から2㎝程の大きさで、いくつも存在することがあり、さらに膝の動きにより移動するので関節内に引っかかるなど痛みの原因ともなります。

2.肥満

加齢に並び変形性膝関節症の原因として多いのが肥満です。例えば消しゴムを強く擦るのと軽く擦るのとでは消しゴムの減りが全く違ってきます。

関節軟骨も同じで体重が重いほど関節にかかる負担は大きく、軟骨の減りも早くなります。

3.閉経(ホルモンバランス)

変形性膝関節症では女性は男性に比べ4:1の比率で多くなります。

その理由として女性は閉経後、ホルモンバランスにより急速に骨密度が低下していきます。

これにより体重のかかる膝関節のすり減りや変形が起こりやすくなります。

4.靭帯損傷

過去に何かしらのケガで膝の靭帯、特に側副靭帯や十字靭帯が断裂するとひざ関節は左右または前後に不安定となります。

そのため関節が動揺し膝関節の軟骨の一部分に強い負荷がかかります。

靭帯損傷 (断裂) していてもそのまま動かすことや歩くことは可能となるため、手術などをしないでそのまま生活している人は多いです。

この場合、比較的早く変形性膝関節症になるリスクが高くなります。

5.半月板損傷

半月板は膝関節のスペーサーとしてひざの安定支持の役割があります。

この半月板が膝の外傷により圧壊や断裂を起こすことがあります。

半月板が割れると膝の関節内で引っかかったり、痛みや水が溜まるなどの症状が現れるため手術で半月板を摘出する事があります。

この場合、スペーサーを失い不安定になった膝関節は軟骨の消耗が早くなります。

半月板損傷の有無は圧アプレーテストが行われます。

圧アプレーとはうつ伏せに寝た状態で片方の膝を直角に曲げ、もう一人がその足裏を強く押しながら足を内と外に捻じります。

この時に内捻じりで痛みが出たものが内側半月損傷、外捻りで痛みが出たものは外側半月損傷の可能性が非常に高くなります。

半月板損傷について詳しくはこちら ⬇︎
半月板損傷イメージ 半月板損傷 / ひざの痛み・膝が引っかかる

6.O脚変形

ホルモンバランスや正座などの生活習慣で膝の内側の軟骨がすり減ると膝が外側に広がるO脚変形になりやすくなります。

O脚になった膝はさらに体重が内側に集中して掛かるようになり軟骨の消耗が進行してしまいます。そのため変形性膝関節症となります。

7.X脚変形

O脚変形の反対で、膝関節の外側の軟骨がすり減るためにX脚変形が起こります。

またX脚は生まれつきの膝の形である事が多く、長年かけて体重が徐々にひざの外側へ負担をかけて関節軟骨が消耗します。

そのため通常の膝の形よりも比較的早期に変形性膝関節症を発症するリスクとなります。


変形性膝関節症の検査法

レントゲンで判断する場合

変形性膝関節症はレントゲンで確認する事ができます。

膝の軟骨自体はレントゲンに写りませんが、骨の隙間が狭くなっていれば軟骨の消耗と判断できます。

さらに骨棘や遊離骨なども確認できるためにMRIまで必要としない事が多いです。

触診や状態で判断する場合

年齢と体重、O脚変形などの既往や歩き出しが痛む、膝が伸びきらないなどの状態から判断できます。

また膝に水 (関節液) 関節液が多く溜まっている事が多いため軟骨の消耗が判断できます。

変形性膝関節症の治療法

保存療法 (手術しない方法)

変形性膝関節症の治療では物理療法や薬物療法、運動療法などの保存療法が中心に行われます。

そして何よりも肥満など努力で改善できるものは体重を減らす強い意思が必要です。

また、膝用のサポーターなども利用して痛いから歩きたくないという悪循環から脱却することが重要です。


膝のサポーターではズリ落ちず適度な圧迫力のあるこちらがおすすめです。

ブラックもありますが、そちらはスポーツ対応できつめに作られているためホワイトよりワンサイズ大きめが安心です。

物理療法

干渉波や低周波などの電療、ホットパックやマイクロ波などの温熱などの治療法で膝関節症には広く行われています。

他にテニスボールなどをひざ裏に挟んで曲げる運動などとの併用で高い効果が得られます。

薬物療法

主に関節内注射が行われます。膝関節の潤滑油であるヒアルロンと麻酔剤を混ぜたものを関節内に注射し、関節液 (水) が溜まっているものには水を抜いた後に薬剤を注射します。

正常な関節液は薄い黄色ですが、炎症が強いものは濃い黄色の水、関節内の出血があれば赤い水となります。

運動療法

変形性膝関節症の代表的な運動療法は足の太ももの筋肉トレーニングです。

大腿四頭筋という太もも全面にある膝を伸ばし関節の安定支持を担う筋肉を強くすることで、膝関節の動揺性が減少し痛みを緩和させます。

SLR (Straight Leg Rising)

仰向けに膝を伸ばしたま真っ直ぐに寝ころびます。

 

腰を保護するため片方の膝を立てて、もう片方の膝を伸ばした足を20㎝程浮かせた状態で30秒間キープします。

 

この運動は大腿四頭筋(太もも全面)の特に上部に効果的です。

レッグエクステンション

椅子に座った状態で太ももを浮かせずに膝を片方ずつゆっくりと伸ばします。

 

下ろす時もトレーニングのため出来るだけゆっくりと下ろします。これを10回3セットずつ両足行います。

 

片足ずつ行うことで筋肉に集中することで効果が高くなります。また、反動を使っての運動は意味がないため絶対に両足同時には行わないようにしましょう。

 

この運動は大腿四頭筋(太ももの全面)の主に下部(お皿のすぐ上)の筋肉強化に効果的です。

注意

スクワットは立ったまま膝を曲げたり伸ばしたりする大腿四頭筋の運動ですが、膝関節への負担が強いため膝の痛みが強い方にはおすすめできません。

運動療法では他に膝関節に体重がかからない水泳(水中ウォーキング)などがおすすめです。

手術による治療

歩行困難なものや保存療法で効果が得られない場合には手術が選択されます。

変形性膝関節症の手術では、人工関節置換術 (じんこうかんせつちかんじゅつ) が行われます。

人工関節置換術の手術を行う前に、まず膝の内部の状態を見るため、MRIやCTなどの裏付けとして関節鏡手術 (AS) が行われます。

関節鏡手術では膝に小さな穴を開けてカメラで膝の内部を見ながら損傷程度を確認していきます。

この際、半月板が割れているものは除去し、軟骨がすり減る事でできる滑膜ヒダという絨毛状の異物も切り取る事が可能で、人工関節の手術をすること無く痛みを取り除ける場合もあります。

 

関節鏡での検査で損傷の大きいものや変形、痛みの強いものには人工関節置換術 (じんこうかんせつちかんじゅつ) が行われます。

手術では膝関節を構成している大腿骨と脛骨の関節面の骨を削り取り、余分な骨棘や遊離骨を取り除きます。

その後、上下の骨の先端に人工関節をかぶせて固定します。術後は一部を除き翌日から立ち上がることが可能で7日~10日後の抜糸が終わり膝関節が90度以上曲げることができれば早期退院も可能です。

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