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膝の内側が痛む鵞足炎とは?関節症との違いなど

膝の内側が痛む鵞足炎とは?

ひざの内側が痛む多くの原因は「変形性膝関節症 (へんけいせいひざかんせつしょう) 」ですが、その関節から少し下がったところに痛みが出ることがあります。

その部分を鵞足 (がそく) と言い、表面からは見えませんが、筋肉の骨への付き方が鵞鳥 (がちょう) の足に似ているためこの様に呼ばれます。

鵞足部の位置

意外とこの部分の痛みは変形性ひざ関節症と混同されている場合が多く、ここを治療したらヒザの痛みが消えたと言ったケースがあります。

 

鵞足 (がそく) 部分はどこか?

鵞足とは鵞鳥 (がちょう) の足の様に扇子型に開いた状態の筋肉付着部です。

大腿部 (太もも) の筋肉は上から膝 (ひざ) 関節をまたいで膝下の脛骨 (けいこつ) という骨に付いています。この大腿部周囲の筋肉が収縮し、脛骨を引っ張ることで膝の関節を屈伸できるようになっています。

ひざを曲げる (伸ばす) 力は膝から下の足を持ち上げる強さが必要という事になり、かなりの重さになります。歩行時も常に使われる筋肉なので次第に硬くなり疲労が蓄積していきます。

さて、鵞足部ですが図でお分かりのように膝の内側から少し下の部分になります。この位置に筋肉が扇状にくっついています。

鵞足イメージ

鵞足を作っている筋肉は主に「縫工筋 (ほうこうきん) 」「薄筋 (はっきん) 」「半腱様筋 (はんけんようきん) 」の3つです。

ここでは筋肉の種類は重要ではないので細かくは省きますが、この3つは太ももの内側に位置する筋肉群で、いずれも膝の関節を曲げる作用を持ちます。ただし、半腱様筋は膝を伸ばす作用もあります。

この3つの筋肉が収縮するたびに鵞足部には強い牽引力が加わり次第に硬化、疲労します。

 

鵞足炎の症状は?

鵞足炎 (がそくえん) の症状は次のようになります。

  1. 歩き出す時に膝に痛みが出る
  2. 膝を曲げると痛む
  3. 鵞足部分を押すと強く痛む
  4. 稀に安静時でもズキズキする

鵞足炎では太ももの筋肉が鵞足部分を長期にわたって引っ張る事でこの部分が硬くなり痛みを発するようになります。

痛みが強いものでは表面を指でさするだけでも痛みがあります。さらに坐骨神経痛と重なる事でも痛みが強く現れます。

急性のものでは熱感を伴う事もありますが大半は慢性痛となっています。

 

鵞足炎の調べ方

鵞足炎の調べ方は膝の浅い部分に位置するため比較的容易に判断できます。

座るか仰向けに寝た状態で膝を軽く曲げて膝蓋骨 (しつがいこつ / ひざのお皿) の内下方部分を親指で押してみます。

何箇所か押していくと強い痛みを感じる部分があり、そこが筋肉の付着部で鵞足となります。この時に痛みを感じなければ鵞足炎の可能性は低くなります。

 

鵞足部痛の治療法

鵞足炎の治療法は変形性膝関節症などよりはるかに簡単です。

鵞足炎は「炎」とありますが炎症的なものは少数で大半は長期の慢性痛となっています。ここでは身体の負担がなく手軽に効果の高い治し方を記載します。

鵞足炎の治療では患部を温めた後、鵞足部をマッサージでゆっくりとほぐしていきます。初めは強い痛みが出ますが数分間繰り返していると全く痛みを感じなくなります。

10分程度の治療を痛みの反応を見ながら数日行うと比較的早期に軽快してきます。

それでも痛みが残る場合や繰り返す場合は日常的な負担を減らすサポーター等を利用すると効果的です。

鵞足炎の治療の流れは次のようになっています。

温める(急性期は冷やす)
患部周辺をを温めて血流を良くし、筋肉や腱を緩めます。急性の場合は3日は安静とします。
STEP.2
鵞足部をほぐす
手の親指で鵞足部をゆっくりとほぐしていきます。最初は痛みが強い事がありますが、数分で緩和していきます。
STEP.3
痛みの状態を確認する
翌日に鵞足部周辺を指で押してみて痛みをチェックします。熱を持っていたり青くなる場合は力を弱めてSTEP2を数回行います。
STEP.4
数日間繰り返す
一日に10分程度、一週間行います。
STEP.5
治癒
指で鵞足部を押してみて痛みが無くなれば終了です。

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