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腰椎椎間板ヘルニア / 腰の痛み 足のしびれ

腰椎椎間板ヘルニア

ようついついかんばんへるにあ

腰椎椎間板ヘルニアとは、腰の背骨部分で神経が圧迫されて起こる「腰の痛み」や「足のしびれ」です。

腰痛の中でもかなりの頻度で発生する身近な疾患です。この「ヘルニア」とは飛び出すという意味です。

腰椎椎間板ヘルニアの病態

背骨には各間に「椎間板ついかんばん)」というクッションがあり、地面からの衝撃などを吸収したり、背骨を柔軟に動かす役割があります。

腰の背骨 (腰椎) は「5個」からなり、緩やかに前に弯曲(わんきょく)しています。

椎間板ヘルニアではこの椎間板が潰れてしまい、中のコラーゲンムコ多糖からできた水分を多量に含む髄核ずいかく)が後方へ押し出されて神経を圧迫します。

髄核内は若い年代では90%以上は水分で弾力性に富みますが、高齢者では50%以下まで減ってしまいます。

この髄核に圧迫された神経は腰から足へ走行するため、神経に沿った痛みやシビレが出ます。

 

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰椎椎間板ヘルニアの症状は次の通りです。

  • 腰の痛み
  • 脇腹の痛み
  • 臀部(お尻)の痛み
  • 股関節 (足の付け根) の痛み
  • 太もも前面の痛み・しびれ
  • スネの横の痛み・しびれ
  • 足の甲の痛み・しびれ
  • 足の指のしびれ
  • 足指の裏の感覚異常
  • 排尿障害

上記のように腰椎椎間板ヘルニアでは腰から下に痛みやシビレ、だるさなどの症状が現れます。

いわゆる「坐骨神経痛 (ざこつしんけいつう) 」です。


よくある疑問

ここでは腰椎椎間板ヘルニアに関するよくある疑問をまとめてみました。

腰が痛くない事はあるの?

足のシビレやだるさの症状だけで腰の痛みはない事も多々あります。


両足に症状が出る事は?

足のシビレやだるさは両足に出る事もあります。ただ、片足だけの場合が多数を占めます。


足の指の付け根の裏に何か付いてる気がする?

ヘルニアなどの坐骨神経痛では足の裏の感覚障害が出る事も多く、歩いていると足の裏に物が挟まっている感覚が出ます。

注意
この足の裏に物が挟まった感覚は「モートン病」(モルトン病とも言います)と位置が近いため非常に間違われる事が多く注意が必要です。

モートン病について詳しくはこちら ⇩

モートン病 / 足の痛み しびれ

ひざや足首が痛くなる事はあるの?

坐骨神経痛では直接ひざや足首が痛くなる事は稀ですが、ひざの変形性関節症や半月板損傷、足首の古傷などがあれば普段は痛みを感じない場合でも、そこの痛みが倍増して感じる事が多くあります。


しびれ側の足がつる(こむら返り)関連性は?

坐骨神経痛ではふくらはぎや足の指、足の裏がつる事が非常に多いです。特に寝ていて無意識に寝返りを打つ時に筋肉への伝達が神経の圧迫により正常に伝わらないため、よく「つる」ようになります。さらに寝ている時の冷えや寝ていてお尻などを長時間圧迫し血流不足になると起こりやすくなります。

CHECK !
足がつる原因では他に水分不足、下肢静脈瘤、糖尿病などがあります。

こむら返りについて詳しくはこちら ⇩
こむら返りイメージ足がつるとは?こむら返りの原因と治し方


椅子に座っていると足の痺れ(しびれ)が強くなる?

椅子に長時間座っているとお尻を通る血管や坐骨神経を圧迫してしまい血流不足により足のしびれが強くなります。特にこの場合は膝(ひざ)から下のスネに強く出る事が多いです。


腰椎椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の違いは?

椎間板ヘルニアは疾患名であり、その症状の一つが坐骨神経痛です。坐骨神経痛は他に腰部脊柱管狭窄症梨状筋症候群腰椎分離すべり症などでも現れます。

腰部脊柱管狭窄症 / 腰の痛み 足のしびれ梨状筋症候群 / 足のしびれ・お尻の痛み腰椎分離すべり症 / 腰の痛み・足のしびれ

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因

比較的若い世代から発症します。重い荷物を持ったり、運転などで椅子に長時間座っている人もヘルニアになりやすくなります。

特に早朝の洗顔時に腰を少し曲げたり、靴を履こうとするような腰を軽く曲げる動作でもぎっくり腰の原因として起こることがあります。

また、高齢者では椎間板が変性 (経年劣化) して潰れてくる事がほとんどです。

 

腰椎椎間板ヘルニアの検査法

単純レントゲン

レントゲンでは椎間板は映りませんが、腰椎間の隙間の広さを見て狭くなっていれば椎間板が潰れている可能性があるので症状と照らし合わせヘルニアを疑うことができます。

ただし、腰椎間の隙間が広くても椎間板の髄核が飛び出している事も多いため安心はできません。

MRI

確定診断となります。MRIでは潰された椎間板や圧迫された神経も確認する事ができます。

このMRIで椎間板のヘルニアや神経の圧迫が見られても無症状の事があるので注意が必要です。

膝蓋腱反射

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などで足へ行く神経が圧迫されていると、膝 (ひざ) のお皿の下の腱を叩くとひざ下の足が跳ねる反射が低下します。

SLRテスト

Straight Leg Rising テストです。仰向けで足を伸ばした状態で痺れや痛みのある足を持ち上げてもらうと腰や足の指などに突っ張るような痛みが出ます。

 

腰椎椎間板ヘルニアの治療法

腰椎椎間板ヘルニアは保存療法と観血療法があります。また、飛び出した髄核は時間とともに分解吸収され回復する事もあり、症状が消失する事も多い疾患です。

保存療法 ( 手術以外の治療 )

ほとんどの椎間板ヘルニアでは保存療法が行われます。

温熱や電療、針やマッサージなどの物理療法、ステロイドや麻酔剤、内服薬などの薬物療法と、痛みに応じて様々な緩和処置が行われます。

ただし、これらは対処療法になる事が多く、痛みを緩和させながら椎間板の分解吸収を待つには適しますが、原因を改めないと再発する可能性が高くなります。

よく行われる治療法
  1. 筋トレ
  2. ウォーキング
  3. コルセット
  4. 硬膜外ブロック
  5. 減量
  6. 姿勢の改善
1.筋トレ

腰椎椎間板ヘルニアでは背骨を支えている腹筋や背筋の筋肉トレーニングを行い、腹圧を高め脊柱の安定支持を図ります。

ただしこの筋トレは背骨が動くような腹筋、背筋のトレーニングを行うと刺激で神経が過敏になり余計に痛みが出るので長く続けるためにも慎重に行う必要があります。

 

腰回りの筋肉トレーニング

腰回りの筋トレでは大きく腹筋背筋体幹トレーニングがあります。

多くの筋トレ方法がありますが、ここでは椎間板ヘルニアに比較的安全でおすすめの方法を挙げてみます。

 

腹筋トレーニング

背骨を安定させるために腹筋を鍛えることは大きな効果があります。

ただし、シットアップなど腰の背骨が動くような筋トレは椎間板ヘルニアでは神経に刺激を与えやすく炎症が起きて痛みが増してしまいます。

その為、おすすめは「クランチ」です。クランチ腹筋は仰向けに寝て両ひざを曲げて立て、おへそを見ながら丸め込むように上体を起こして行きます。

この時、腰が浮くほど状態を起こさずに背中が丸まる程度で大丈夫です。

注意点は首だけで起き上がらない事です。これは首をすぐに痛めてしまいます。

コツは手で頭部を軽く支持し、首だけを曲げずに背骨全体を丸める感じです。

腹筋が弱い場合は胸やお腹に両手を乗せて行うと少し楽にできます。

これでも辛い場合は両手でひざを立てた太ももを掴みながら行います。

ゆっくりと5秒ほどかけて息を吐きながら丸め込み、5秒ほどかけて息を吸いながらまた背中を伸ばして床に付けます。

必ず呼吸は止めないように注意してください。できれば10回2セットを毎日行います。

MEMO
腹筋を鍛える際、ひざを立てる理由は腰が反ってしまうのを防ぐためと、股関節を曲げる腸腰筋ちょうようきん)が使われないようにするためです。

 

背筋トレーニング

背筋は背骨の支持に欠かせない筋肉です。背筋が弱くなると背骨で体を支えるようになり椎間板への負担が増え痛めやすくなります。

背筋の筋トレではバックエクステンションがありますが、これも背骨が動くトレーニングになるので、椎間板ヘルニアの運動としては刺激が強すぎるためおすすめできません。

背筋の筋トレで比較的安全なものは四つん這いになり、腰が丸まらないように真っ直ぐ体が一直線になるように右手と左足を同時に上げてその状態を10秒キープします。

次に左手と右足を上げてキープします。これを繰り返し10回ずつ行います。

 

体幹トレーニング

体幹を鍛える事で体の軸などバランスを整え、背骨への負担を減らす効果があります。また動的な筋トレよりも背骨が動かない分、体幹トレーニングは比較的安全に行えます。

うつ伏せの状態で両肘を胸の前で立たせ足のつま先と肘だけで体を浮かせて維持します。

仰向けで両膝を立てて両手を自然に下に伸ばします。その状態で腰からお尻を浮かせて20秒ほど維持してゆっくり下ろします。この動作を10回ほど繰り返します。

2.ウォーキング

歩く事で適度に椎間板が刺激され、弾力性、柔軟性が増します。

逆に座りっぱなしなど同じ姿勢でいると椎間板は固く潰れやすくなります。

ウォーキングは一度で長時間せずに少しずつ距離を伸ばしていきます。

歩く速さはゆっくりでも良く、何回かに分けても大丈夫です。

 

3.コルセット

腰部にコルセットを巻く事で腹圧を高め、背骨を安定させる事ができます。

こうする事で多少の動きでも背骨にかかる負担が減り、痛みを軽減させます。

ただし、長時間装着する事でコルセットと肋骨の境目に痛みが出たり、筋肉が痩せてきてしまいますので在宅中など動きの少ない日、睡眠時は外すなど、付けたり外したりするようにします。

 

4.硬膜外ブロック

ペインクリニックや整形外科で行う麻酔剤を使った注射です。

腰の脊椎(背骨)を通る神経の束がある隙間に麻酔剤を注射することでおへそから下の足先までの痛みを和らげる効果があります。神経根ブロックとは異なります。

 

5.減量

肥満では椎間板の負担が大きく、腹圧も弱くなります。そのため体重を減らす努力も必要です。

痛みやシビレで思うように運動ができず減量できない時は摂取カロリーを減らすなど出来ることから始めるようにしましょう。

 

6.姿勢

背骨は骨と骨が正しく「面」で接していれば体重や衝撃を受け止める範囲が広いため外力が分散し、痛めにくくなります。

逆に姿勢が悪く背骨と背骨が傾いて「点」で接していると、そこに体重や外力が集中し骨棘が作られたり椎間板への圧迫が強くなります。

そのため正しい姿勢を習慣づけることが非常に重要となります。

CHECK !
安静は急性期 (痛みが出て数日の間) では効果がありますが、安静期間が長いと回復するのが長引く場合があります。椎間板ヘルニアではなるべく動いて治す方法が採られます。

 

観血療法(手術による治療)

およそ3ヵ月以上経過しても強い痛みやしびれがある時や、 膀胱直腸障害 がある場合は手術が行われることがあります。

手術では飛び出した椎間板を除去するLOVE法内視鏡手術、椎間板の内圧を減らして飛び出た髄核を引っ込めるPN法レーザーなどが状況により選択されます。

ただし、手術後も10%前後の再発率があり生活習慣や体重、姿勢などの管理が必要です。

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膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)

椎間板ヘルニアなどで脊柱の神経が圧迫されると膀胱、直腸の機能が傷害され、排尿や排便などに支障がでることです。