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ギラン・バレー症候群 / 手足のしびれ・麻痺

ギラン・バレー症候群

ギラン・バレーしょうこうぐん

ギランバレー症候群は急速に手足に力が入らなくなる疾患です。


 

原因は何か?

人口10万人あたり1〜2人の発症数です。はっきりとした原因は分かっていませんが、ギラン・バレーの60%の人は発症前に熱、喉の痛み、頭痛などの風邪症状の後に発症しているので、風邪やウイルスとの関連が指摘されています。

更にインフルエンザワクチンなどのワクチン接種後に発症する例もあります。

 

どのような症状か?

ほとんどの場合、1〜3週間ほど前から発熱や喉の痛みなど風邪症状が現れます。

その後、両足の筋力に低下、麻痺の症状が出ます。その症状は徐々に両腕にも発症します。運動機能の麻痺が主ですが、感覚障害も稀にあります。

呼吸に必要な筋肉が麻痺してくる事もあり、その場合は人工呼吸器が必要となります。脳神経症状や自律神経障害では突然死の危険性があります。

ギラン・バレー症候群と似た症状の疾患があるため、鑑別診断に注意が必要です。

 

鑑別が必要な疾患



ギランバレー症候群の病態

末梢の神経繊維には
有髄神経


無髄神経

があり、有髄神経には軸索(じくさく)という神経の本体部分があります。そして軸索の周りを髄鞘(ずいしょう)が覆っています。

ギラン・バレー症候群ではこの軸索や髄鞘が障害されて四肢の運動障害や麻痺を引き起こします。

障害される神経の箇所により次の3つに分類されます。

  1. 脱髄型 (だつずいがた)
  2. 軸索障害型 (じくさくしょうがいがた)
  3. 混合型 (こんごうがた)

 

1.脱髄 (だつずい) 型

神経の軸索を覆っている髄鞘が障害されたもの。ノドが腫れるなどの気道系の症状から現れ、手足の感覚障害が出る。比較的予後は良好。

 

2.軸索障害 (じくさくしょうがい) 型

軸索が障害されたもの。胃腸炎など消化器系の症状から現れ、手足の感覚障害はなし。予後は慢延化する事がある。

 

3.混合 (こんごう) 型

髄鞘と軸索の両方が障害されたもの。脱髄型と軸索障害型の両方の症状があるもの。

 

主な検査法

ギランバレーの検査法

  1. 神経伝達速度検査
  2. 筋電図検査
  3. 髄液検査
  4. 血液検査

 

1.神経伝達速度検査

皮フの上から2点の電気の流れの速度を測る検査。神経の異常がある場合、伝達速度が低下、減少します。

 

2.筋電図検査

細い針を筋肉に刺して手足のしびれや麻痺(まひ)が神経と筋肉のどちらから発生しているかを調べる検査。

 

3.髄液検査

脊髄中の脳脊髄液を背中に針を刺して採取する検査。ギランバレーでは脊髄液の中に蛋白が増加します。

 

4.血液検査

採血をして血液の中に抗ガングリオシド抗体が見られるかどうかを調べます。急性期にはこの抗ガングリオシド抗体が50%以上に見られ、回復期には消失してきます。

他に、
膝蓋腱反射

の消失が見られます。両方の足または手に麻痺症状が急速に進行し、膝蓋腱反射も消失する場合はギラン・バレー症候群を疑います。

 

治療法

ギラン・バレー症候群には感染症の治療として以下の治療方法が行われています。

  • 免疫グロブリン大量療法
  • 血漿交換療法
  • 免疫吸着療法

・免疫グロブリン大量療法

早期から
免疫グロブリン

を5日間ほど大量に投与します。

 

・血漿(けっしょう)交換療法

体内から血液を抜いて血漿の抗体や有害物質だけを取り除き、また体内へ血液を戻す治療法です。

 

・免疫吸着療法

血液中の抗体など有害物質を取り出す治療法です。


 

これらの治療法に加えて、低下する筋力の維持、強化のためのリハビリテーションも併用します。

ギラン・バレー症候群は突然に発症する疾患ですが、1ヶ月ほどで自然治癒する事も多いです。しかし再発もある上に重傷なものは症状が進行し死亡するケースもあります。

有髄神経 (ゆうずいしんけい)

高速に多くの刺激を伝導します。骨格筋の運動に関与します。

髄鞘があるもの。

無髄神経 (むずいしんけい)

ゆったりとした刺激を伝導。血管の収縮や胃腸の運動に関与します。

髄鞘が無いもの。

膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)

ひざのお皿の下の部分を叩くと、ひざから下の足がピョンと伸びる反応。

他にアキレス腱反射など多くの疾患の診断に、体の各部位の腱反射が使われます。

免疫グロブリン(めんえきぐろぶりん)

血液を遠心分離すると上澄みに黄色く見える血清という液体成分を確認できます。その血清にはタンパク質であるグロブリンがあり、IgG・IgA・IgM・IgD・IgEの5種類が知られています。

ほとんどの免疫グロブリンはIgGで、血清免疫グロブリンの約80%を占めており、慢性の炎症や悪性腫瘍があるさいに増加します。

これを薬剤として免疫機能の低下した患者さんや、重症の感染症にかかった人などに投与されます。