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走るとスネの内側が痛いシンスプリントの原因と治し方

シンスプリント

シンスプリントとは脛骨過労性骨膜炎 (けいこつかろうせいこつまくえん) と呼ばれる足のスネの下1/3 (内くるぶしから15㎝程上) の部分に痛みが出る疾患です。

シンスプリントイメージ

シンスプリントの原因

シンスプリントの大半はオーバーユーズ (使い過ぎ) が原因で発症します。その他にもいくつかの発症しやすい原因があります。

  1. オーバーユーズ
  2. ランニングフォーム
  3. 地面の固さ
  4. 筋肉の柔軟性
  5. クッション性の低いシューズ
  6. 扁平足
  7. 回内足
  8. 足首の硬さ

シンスプリントの位置

1.オーバーユーズ

シンスプリントの原因として最も多いものは繰り返しのランニングやジャンプなど使い過ぎで発症する場合です。

特にこれといった原因が無いため、そのうち痛みがとれるだろうと安心していると徐々に悪化してしまいます。

2.ランニングフォーム

悪いランニングフォームは足への負担がかかる大きな要因となります。例えば内股またはガニ股の癖や地面を蹴りすぎる走り方はスネに強いストレスがかかります。

これはスネ (脛骨) から踵 (かかと) にかけて筋肉が強く収縮するためにスネが筋肉に引っ張られて痛みが現れます。

3.地面の固さ

コンクリートアスファルト、体育館などと土や芝生、ラバーの地面とでは足にかかる力や衝撃が全く異なります。

通常、運動やスポーツの練習では土のグランドやアスファルト、体育館が大半ですが、アスファルトや体育館は地面のクッション性が無いためスネにかかる負担が増し過労性骨膜炎が非常に多くなります。

4.筋肉の柔軟性

ふくらはぎやスネの筋肉が硬くなると脛骨に付いている筋肉の牽引力が増して骨膜炎を起こしやすくなります。

また、筋肉の柔軟性が低いと膝関節や足関節の動きを悪くするので、これらの関節が硬くなり、更に筋肉が硬くなる悪循環となります。

5.クッション性の低いシューズ

踵 (かかと) が磨り減った靴やクッション性の低いシューズは走る、跳ぶなどの地面からの衝撃を吸収出来ずに足へと伝わります。

この衝撃が繰り返す事で過労性骨膜炎を発症します。

6.扁平足

扁平足 (へんぺいそく) は足の土踏まずが平らな状態です。土踏まずは地面からの衝撃をアーチ構造により和らげる事で足や腰への負担を減らす役割があります。

そのため扁平足の状態は脛骨の過労性骨膜炎を起こしやすくなります。

7.回内足

回内足 (かいないそく) とは足首の内くるぶし (内果) が内側に出っ張り、踵が外側に捻れている状態です。

この回内足のクセがついていると重心が足の内側に偏るため過労性骨膜炎を発症しやすくなります。

8.足首の硬さ

足首の関節は足の土踏まずなどのアーチ構造と同じく地面からの衝撃を和らげる働きがあります。

この足関節が硬く、動きが悪いと当然ながらスネにかかる負担が増すためシンスプリントになるリスクが高くなります。



シンスプリントの症状

シンスプリントの症状の現れ方は初期・中期・末期の症状に大きく分けることができます。

初期症状

運動開始時に痛みを感じますが、次第に減少していきます。運動前にウォーミングアップをする事で運動開始時の痛みも軽減させることができます。

中期症状

運動中は常に痛みがあり、運動を中止すると消失します。日常的にはほとんど支障はありません。

末期症状

運動以外にも痛みが強く出ます。そのため日常生活にも支障が現れます。稀に疲労骨折を起こしているものも見られます。

シンスプリントの類似疾患

脛骨に痛みが出る疾患はシンスプリント以外にもあるので注意が必要です。

特に同じオーバーユーズで発症する疲労骨折では初期の段階ではレントゲンでも判別困難な事もあります。

疲労骨折かシンスプリントかは同じ治療法で経過を見ていきます。まずは運動を中止して患部を安静にし、1ヶ月程経つとレントゲン上でうっすら骨の盛り上がりが確認されれば疲労骨折だと (だったと) 判明します。

また、初期の段階でMRI検査を行えば早期の疲労骨折の判断が可能です。

シンスプリントの治し方

シンスプリントは治療が遅れると疲労骨折へ移行したり痛みの慢性化でスポーツへの復帰が困難になるなど重症化してしまいます。

このような重症化した難治なケースでは下腿 (ひざから下の部分) から足の指先までをシーネやシンスプリント用サポーターで固定して完全な安静が必要となる事があります。

先天的 (生まれつき) に扁平足など足の形が悪いものにはインソールや足底板で痛みの緩和や再発の防止を行います。

また、シンスプリントの原因となる足首が硬い場合には主にふくらはぎの筋肉を緩めます。

これはシンスプリントがふくらはぎの筋肉に骨の膜である骨膜が繰り返し引っ張られて発症するためです。

足首の関節自体が硬いものには関節の動きを良くするリハビリを行います。

関節の動きを改善するリハビリとして自分の意思で足首を動かすと筋肉を使うことになりシンスプリントには適さないため、手でつま先を掴んでクルクル回したり他動的 (他の人) に足首の関節を動かしてもらいます。

通常、シンスプリント性の痛みが出た際はすぐに運動を中止し安静とします。

そのまま運動を続けていると悪化するのはもちろん、疲労骨折や痛みが消えない慢性痛となる危険性があります。

また、新入部員や運動を始めたばかりでハードなトレーニングをするとシンスプリントが頻発します。そのためいきなりの「鍛えすぎ」には注意しましょう。

シンスプリントの初期には運動後にアイシングを行い運動前には軽いウォーミングアップを行う事でほぼ痛みは消失します。

アイシングは運動後の炎症を抑える目的のため、痛みが治まった後は筋肉が硬くなるのを避けるためアイシングは避けた方が安全です。

シンスプリントの発症時から復帰までは以下のような流れになります。

STEP.1
安静
運動すると足のスネに繰り返し痛みが出るようであれば下半身を使う全ての運動を中止します。
STEP.2
軽いウォーキング
リハビリを開始します。先ずは軽いウォーキングから痛みの無い範囲で行います。
STEP.3
ストレッチや筋トレ
足首を伸ばしたり曲げたりのストレッチを開始します。その他、床に敷いたタオルを足の指で手繰り寄せるタオルギャザーなどを行います。
STEP.4
軽いジョギング
ジョギングを短距離から開始し徐々に距離を伸ばして行きます。爪先立ちやジャンプなども試してみます。
STEP.5
完全復帰
オーバーユーズに気をつけながら競技など運動に復帰します。

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